先日青年会議所の講師例会で,「リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」の著者である林田正光氏の講演を聞いた。
林田氏は大阪青年会議所のOBで経歴は以下のとおりである。
<主な経歴>
元藤田観光株式会社太閤園販売促進担当支配人、関西地区顧客担当部長
元ザ・リッツカールトン大阪 営業統括支配人
元京都全日空ホテル社長兼総支配人
前彦根キャッスルホテル社長兼総支配人
さて今回の演題,というか主題はCS(コンシューマーサティスファクション,顧客満足の意)である。数年前にCIだのCSだのがビジネスの流行語として語られたようなそのような浮ついたものではなく,まさに本当の顧客満足とは何か?それを実践しているか?と詰問され,胸が痛くなるような鋭い話であった。
短い時間であったが,氏の人生遍歴をちりばめながら,主に,リッツカールトンホテルの追求する顧客サービスとはいかなるものかを語られた。氏はもはやリッツカールトンホテルを退職されているわけであるが,このような形で未だ啓蒙されているわけであるから,そのサービスがいかに特殊性あるものかが確信される。
同ホテルについては,私も機会があれば訪れている(というか,悲しいことに,お金がある機会があれば訪れいているというほうが正しいか(リッツカールトンの本来の顧客ではない))ので,とても興味深く聞いたのだが,リッツカールトンホテルのサービスには,以下の命題があるらしい(本を読んでいないのでいい加減な知識だが)。
「お客様にNOと言わない」※料金値下げ要求を除いては
お客様にNOと言わないなどということができるのか,なんでも聞き入れていては商売がなりたたないではないか!当然誰しもが感じる反射効であるが,そうではないようだ。要求そのままを受け入れるという意味ではない。お客様が要望している趣旨,本質を洞察し,汲み取り,それに沿う提案と斡旋をすることによって,OKというに等しい状態を提供する,ということらしい。なるほど確かに,そうすればお客様は満足されるだろう,という事例をいくつか紹介された。
さて,リッツカールトンホテルは,上位5パーセントの富裕層を対象に商売をし,そのことによって,脅威の顧客単価を稼ぎ出し,少数の客室数でその数倍の客室数のホテルの売上げと収益を上回る,という離れ業を成し遂げている。「紳士・淑女をおもてなしする私たちも紳士・淑女である」という行動指針はことに有名だ。自分達がおもてなしするお客様が立派であれば,その方々にサービスをする人間が徳を積み,作法と教養を身に付け,洞察力に優れ,社会的地位ある存在でなくてどうお客様を満足させ得よう?ということだろう。確かにもっともで,外資系故の契約関係のドライ感は否めないが,従業員を大切にする会社でもあるらしい。
あまり長くなってもあれなので,,
ともかく話を聞いている間中,まさに紳士たる講師のやわらかい言葉が,しかし鋭い武器であるがごとく,こちらの心を侵襲した。サービスとは何であるかを思い知った。頭で理解することは,この分野においては非情にたやすいことだ。それは最もだ,当然そうだ,いつもやっている,,そうは言ってもね,,,ついついそう逃げこみがちになる自分を講師の話に向かわせるのに必死であった。
しかし,上位5パーセントの富裕層を相手に営業をするホテル業と,他のサービス業が,本当にパラレルでサービスを考えることができるだろうか。また,国家資格者の場合はどうだ。我々は商人ではない。信用を毀損しないか,また法や倫理や相手方の利益はどうなるのだ,,,これは逃げなのか,,,
未だに講師の話を完全には飲み込めないでいる。確信がもてないでいる。しかしそのエッセンスは,確かにしっかりと胸に刻んだ有意義な機会であった。
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