
みなさんこんばんは。自宅からです。
遅ればせながら,「国家の品格」を読みました。購入したのが第33刷で,今更どうこういうこともない本ですが,興味深かった内容は,以下のとおり。勝手解釈を少し含んで,箇条的にすこし記しておきます。
私としてはおよそ同意できる内容です。皆さんにとってはどうでしょうか。
・ アメリカの自由主義万能,論理万能は日本人に合わない。情緒と形,以心伝心,あうんの呼吸,義理,武士道精神が素晴らしい。欧化で国家の品格を失った日本を今こそ憂い是正すべき。
・ 明治以降突き進んだ西欧化は間違い。産業革命が先発した西欧化に批准を余儀なくされただけ。国際社会は信用に足らず。共産主義も資本主義も誤りである。論理の追求,イデオロギーの追求は幸せを生まない。論理は信用できない。
・ 人間理性には限界がありしたがって論理には限界がある。万能でない。究極的に何事も,論理によって説明はできても正当性の立証はできない。最後は人間本能が判断するのだ。
・ 小学生に投資教育は英語教育を進めるのは愚の骨頂。基本なき人間に応用は利かない。社会のなんたるかや,自国を知らないものがそれを学んで何になるか。これもまさしく論理の産物。論理はこのような失敗を簡単に生む。
・ 武士道精神の発露たる旧会津藩の掟にこんな断定が。「ならぬものはならぬのです」 すなわち大切なことは説明不要。頭ごなしに押しつけよ。そういうことが許される社会でないといけない。
・ 社会科学の論理は信用ならない。仮定に仮定を重ね,何ら正しくはないものになる。論理が長ければなおさらだ。結論ありきが正しい。つまるところ思想信条,直感がすべてである。
・ 自由主義を疑え。権利意識の啓蒙は身勝手の啓蒙である。そもそも社会生活に自由などない。生まれたときから人間は社会的動物である。道徳,倫理,法,その他私的規則等社会は協調につぐ強調が求められる。故にロックよりホッブスの価値観が現実社会に適合するし,また人類の幸福にとって望ましいものである。
・ 自由主義は,宗教改革(カルヴァン派),ロック,アダムスミスが各方面から啓蒙した妄想であり害悪である。トマスジェファーソンの言行の不一致を見よ,これが自由主義論者の現実である。
・ 民主主義(民主主権,国民主権)を疑え。悪くともナシオン主権を徹底せよ。民衆とは愚かで無知である。ナチスドイツや日本帝国も民主主権の産物である。近代立憲主義憲法もその制限足り得ない。真のエリートが国家をリードすべき。真のエリートとは,文学哲学歴史芸術科学などの教養を深く広く身につけ,かつ有事には国家国民のために喜んで命を捨てる気概あるものを言う。現在の官僚はエリート足り得ない。
・ 平等主義を疑え。現実社会は不平等なものである。平等など有り得ない。だからといって,不平等への対抗軸をたてて闘争するのは一番の間違い。対抗軸ではなく,弱者,敗者への思いやりを醸成する風土を。そのためにはエリートや強者をそれとして認める風土も必要。
・ 情緒と形を重んじよ。自然に対する感受性を育てよ。美しいものを美しく,無常なものは無常に感じる心が絶妙な社会を築くもと。日本は豊かな自然を基礎に,もののあわれや武士道精神をはぐくんできたすばらしい国である。
・ 愛国心にはナショナリズムと祖国愛がある。祖国愛は無条件で賛美できるもの。自己,自己が帰属するものへの理解と誇りなくして何事もなしえない。
・ 武士道精神を復古せよ。慈愛,忍耐,正義,勇気,思いやり,名誉,恥,卑怯を許さない,,,これらが武士道精神。特に卑怯を憎む心の陶冶が一番大切。これがなければ駄目。
・ 祖国の情緒と形を大切にすることは普遍的価値をもつ。イギリスの自然科学社会科学上の発明も日本文学もその産物。その意味で,無目的なグローバリズムは誤り。何事も画一化してはならない。それぞれの個性に応じた行き方をすべき。民族,国家,地方それぞれにそれぞれの情緒や形がありそれを尊重すべき。綺麗な水に魚は住まず,論理の追求は幸せを生まずである。
・ 祖国の情緒と形は学問を発達させる。日本は独創性の宝庫。それが故に文学や数学で卓抜した実績を生んできた。数学は美への感受性が大切だからだ。
・ 祖国の情緒と形こそが国際化に必要である。外国賛美や外国語の教育を強調するのは害。自国の文化を知り誇れることこそ国際人の最低条件である。言葉など単なる道具。それよりも日本の歴史を知り,自国文学の読書をすべきである。
・ 祖国の情緒と形は人間性を大きくする。情緒を身につけ,自然の摂理を洞察することは,信用できない論理など端に追いやるほど重要。社会にはそれらしい論理がゴロゴロとしているものだ。その中で,何が正しいのかを判断するのは情緒力,総合判断力である。
・ 情緒と形を重視することは,人間中心主義への制限となる。日本の歴史がよい例である。
・ 情緒と形は,戦争を抑止する。論理は戦争を正当化する。歴史上に記された数々の戦争は,それらしい論理によって正当化された。結局論理は,自己正当化のための道具にすぎないのだ。論理の衝突は,イコール闘争,すなわち戦争である。相手を思いやる情緒でしか,闘争を回避できない。
・ 情緒と形の実践や啓蒙は日本人に期待される。日本は神聖な使命を負わされたというべきである。日本は過去の一時期を除き,自然を大切にし,またそれを畏怖し,社会に存在する万物に神を見て,調和する社会を作ってきた。これから世界を救うのは,これら本質を知る日本である。
・ 国家の隆盛の基礎は数学や理論物理である。これらを鍛えつづけなければ工業が廃れ,工業の衰退は近代国家の衰退である。国家は,大衆迎合することなく基礎学力を鍛える教育をすべき。
・ 学問の飛躍的発達には,二つの要素がいる。まず美の存在。その土地に美がなければ学問の先駆者は生まれない。日本には美がある。次にひざまずく心の存在。何かに畏怖する信仰心が必要。日本なら神や仏,自然。イギリスなら伝統。最後に精神性の崇拝。お金を卑しいと思うようないわば前近代的思想,これが重要。これら全てを有しているのが日本であった。
・ まとめると,論理は無能,情緒と形が重要,もののあわれや武士道精神を涵養すべし。現代を荒廃に追い込んでいるのは自由主義,平等主義そのもの。自由,平等,市場原理などは人間を幸せにしない。これらより情緒や形のほうが重要。それを世界に示すことができるのは日本。そしてそれは論理で主張するのでなく,自国での実践あるのみ。
・ 品格ある国家の要件とは,,,国家の独立,高い道徳,美しい田園風景,それらが生む基礎学力と学問的天才の輩出である。日本は,孤高の品格ある国家足りうる世界唯一の国であり,一時期を除き長い歴史上そうであったように高貴な国柄を復古し世界に啓蒙しなければならない。それが豊かな国に生まれたものの責務である。そのためには,経済について,100年ほどの斜陽が生じようとも受認すべき。たかが経済,それが本来日本人の精神である。
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