こんにちは。久しぶりに天気悪いです。しかししっとりして気分はそれほど悪くない。日本は本当にバランスがとれた気候かな。だから天気が悪いといわず,単に雨だと言うことにしましょう。
それはともかく,最近一件の不動産登記に係る仕事で,二つの初体験をした。一つは「本人確認情報提供制度」の利用。もう一つは,「登録免許税の現金納付」である。
それぞれ概説すると,,,
1 本人確認情報提供制度
不動産の売買による所有権の移転登記を想像してほしい。不動産が売主さんから買主さんに売却されて,所有権が移転したから,名義変更をするというわかりやすいケース。
不動産の名義変更をするには,所有権の移転登記をいう登記をしないといけない。所有権の移転登記は,司法書士が,売主さん買主さん双方から委任をうけて,代理人として管轄法務局に申請書を提出する形式で申請する。
申請書には,必要な添付書類を添付しなければならない。売主さんが本当に売主さんであることを法務局に証するため,売主さんが持っている権利書と,印鑑証明書を添付しないといけないのが典型である。
逆に言うと,売主さんが売主さんであることを証する権利書を添付できないときは,所有権移転登記ができないことになる。厳密にはできないのではなく,特別な審査がなされる,ということなのだが。
ところで,売主さんが売主さんであることを証するための権利書を紛失したりして添付できない場合,通常特別な審査がなされると言ったが,これには例外がある。
それは,資格者代理人,すなわち登記申請を仕事にできるものであるところの司法書士または弁護士が,売主さんと面接して事情聴取し,証拠書類をもとに法務局に詳細書面を提出して,売主さんに間違いないと立証した場合には,前述の特別な審査が何らなされることなく,登記は実行される。
つまり司法書士弁護士が本人の確認をすれば,権利書がなくても登記ができるということになり,その意味で登記手続における司法書士弁護士の信頼は大変大きく,またその責任は大変重いわけである。この制度は,先の不動産登記法の大改正にて,従来の保証書制度に代わって実現したもの。まずこれが一つ。
2 登録免許税の現金納付
皆さん登記をするときに税金がかかるの知っていますか。何の税金なんだ,登記したことによってかかるなんて,と思われるかもしれない。しかし厳然とかかる税金がある。
登録免許税である。登記や登録をすることによって得られる利益に対して課される税金だ。
税金には応能負担と応益負担という考え方があるらしい。要するに,資産や利益に税金が課される。資産をたくさんもっているとそれ自体に課税されるし,資産はなくとも利益,つまり儲けた場合にはその儲けに課税される。払えるところからはらってもらいましょう,というのが理屈。
登録免許税はこの場合なんだろう。登記を受けることによって得られる利益に課税されるから,応益負担ということか。しかし金銭的に儲かるわけではないが。この場合の利益,もうちょっと絞って不動産登記を受けることによってえら得る利益とは,多くの場合,民法第177条の対抗力であろう。しかし不動産に関する権利の発生変更消滅は,登記をしないと他人に主張できないという不利益があるからやむなくするのが一般の考え方であり実質であるように思うが,不利益を免れるのも利益といえば利益かもしれない。
前置きが長くなったが,ともかく登記をするには,登記と同時に登録免許税という税金がかかり,また納めないといけない。
納め方は,法によれば,「現金」で納付するのが原則となっている。しかし例外として規定された「収入印紙」による納付がほとんどの場合行われているから,通常は印紙を買って,それを申請書に貼付して納付するわけである。
今回は,「形式的には原則であるが,実質的には例外」である現金による納付を行う。現金といっても法務局に現金をもっていくわけにはいかないから,国にお金を振り込んでその領収書を申請書に貼って,という手法。
国にお金を振り込むのはどうするか。日銀,日本銀行に振り込むのである。具体的には,日本銀行の代理である近くの銀行から,日銀に登録免許税相当額を振り込んでもらい,領収書の交付を受けるのだ。
どうしてこんな面倒なことをするか。印紙を買っほうが楽じゃないのか。そう,印紙を買った方が楽である。だから通常これが行われている。
ではなぜするかというと,印紙を買うには金額が大きすぎる場合,すなわち登記の対象の不動産が多数,または多額,その双方であり,登録免許税の額が非常に高額になる場合,印紙を購入すること,運ぶこと,貼付すること,申請書として提出するまでがリスクとなる。印紙など風に吹かれてとんでいけば,そして蛙飛び込む古池にぽちゃっと落ちれば,それで終いである。歌など詠んではおられない??
当事者から登録免許税に相当する金員をあずかる。それを印紙にかえ,申請書に貼付し,法務局に提出するまでは,司法書士に保管リスクがある。例えば登録免許税が3,000万円になったとする。3,000万円を預かる。それを印紙に替える。申請書に貼る。さて勇んで法務局に向かう途中,鞄を紛失するようなことがあったら,,,
以上の次第で,今般は現金納付,すなわち日銀への振込みによる納付をするのである。これが二つ目。
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