さて,梅雨入りです。昨日家に帰ってニュースを見ると,梅雨入りの文字。憂鬱な季節の始まりですが,夏への希望を胸に頑張りましょう(そんなにタイソウなことでもないか)。
さて,今日は個人再生手続の相談が二件あります。個人再生手続というのは,会社が立ち直る法的手続である民事再生法の個人版で,民事再生法の中に特則として定められているもの。要するに,会社ではない個人(事業者や会社の役員個人の債務を含む)について,今ある債務を圧縮して,払える状態にして払っていく,そのような計画を裁判所で認可してもらって進めましょう,という制度です。
そもそも個人が多重債務に陥って,いわゆる債務をなんとかする方法,すなわち広義の債務整理の手段というのはいくつかあります。すなわち以下のような具合に分類できます。
1 法的な整理
(1) 自己破産
(2) 個人再生
(3) 任意整理等
2 法的ではない整理
(1) 親類知人に一括返済してもらう
(2) 親類知人に毎月援助してもらう
(3) 銀行のおまとめローンで借り換える
(4) 闇金等さらなる借り入れを続けいけるところまでいく
(5) 夜逃げして放置する
(6) 宝くじに当たって一括返済する
等々
さて,まず上記2の法的でない整理についてですが,これはお勧めできません。(6)が現実的でないのは当然として,(5)によって逃げ切ることはできません。債権者は住民票等を取得して追いかけてきますし,訴訟提起されると消滅時効も10年に延びます。住民票を移動しなければ真っ当な生活はできません。(4)に手を出すと大変です。不法なものを相手にすると,場合によっては経済的生活のみならず生命身体に危険が及びます。(1)ないし(3)については,今ある債務について利息制限法による法的是正をしないまま,つまり不法を放置して残高そのままを返済ものであること等いくつかの問題があります。(3)について銀行が関与している分とりわけ問題だろうと思います。
よって1の法的な手続によって債務を整理することになりますが,この場合の(2)が個人再生手続です。
個人再生手続のポイントは,住宅ローンをそのまま払い続けながら,サラ金等の債務だけを1/5に圧縮できるところにあります。これによって,家のローンだけを特別扱いして住宅を守りつつ,サラ金債務等の整理をおこなって,経済的に再生する道が開けます。
ところで,これは法律の仕組みとしては大変な例外です。民法には,「債権者平等の原則」という法理論があり,特別事情がない限り債権者は実質的平等に扱わなければなりません。
個人再生手続きの場合,住宅資金貸付に関する特則というものを利用することによって,住宅ローンを優遇して支払いますから,その意味で大変な例外だと言うことです。
ではどうしてこのような例外を認めるのか。いろんな理屈はありますが,それはやはり,住宅というのは生活の本拠であり,生活の基盤ですから,これを奪われると国民生活の安定が害されて,社会が不安定になるからということでしょう。自己破産をすると遅かれ早かれ住宅を失いますから,なんとか法律の理屈も譲歩して,国民を救う道を開こう,ということです。
このような個人再生手続という制度ができて数年が経過しました。そろそろ制度の知名度も出てきました。住宅ローンとサラ金の多重債務に陥って,サラ金の債務さえ少なくなれば破産しなくてもいけるのにな,,,という方は,制度の適用を検討されてはいかかがなと思います。
以上,昼休みに一筆。
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