少し考えてみました。
皆さんこんにちは。司法書士の中尾です。三連休はいかがお過ごしでしたか?暑くて夏バテ気味の人も多かったかと思いますので,よい休暇になったのではないでしょうか。 そうそう,梅雨が明けましたね。本当におめでたい。何度も言っていますが私は雨が嫌いなので,梅雨明けのニュースに対する喜びも人一倍ということころです。
さて,唐突ですが,今日は少しだけ「結納」というものについて考えてみます。最近離婚等に関する相談を受けることが多いので,この機会に勉強も兼ねて,ということで。
1 一般的に結納と言えば? 婚約が整った時に,男性側の親から女性側の親に金銭等を渡す儀式で,だいたい皆さんがイメージするとおりです。 フォーマルな形式としては,厳かな雰囲気の中,男性側の親と本人が女性側の自宅に出向いて,結納品を引渡すとともに,「お嬢さんと結婚させてください」「今後親戚同士の付合いになるので宜しく」というようなことを,ちょっと小難しく話したりします。 最近は時代が変わり,結納品を簡単なものにしたり,儀式をホテルで行ったり,結納自体を行わなかったりすることもあるようです。 結局のところ,一般的な意味で言えば,日本の伝統的なスタイルで行う「婚約の儀式」という認識ではないでしょうか。一般には,この結納をもって,正式に婚約が成立したという感じだと思います。
2 結納の歴史って? 正確な歴史ははっきりしないようですが,結納に際して相当額の金銭等が,男性側から女性側に渡されるというようなところから考えると,どうも購買婚の名残だとか。つまり,女性そのものや女性に対する支配権を譲り受ける対価として金銭等を渡す,というようなことらしいです。 このような習慣はヨーロッパにも昔からあったらしく,男性が女性に指輪を渡す習慣も,その名残と考えられているようですよ。
3 結納の法的性質は何だ? 法律学の世界では,手付(証約手付といって契約の証としての手付。)という説,解除条件付贈与,目的的贈与であるという説等が主張されています。 最高裁は,「婚約の成立を確証し,あわせて,婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与である」と述べています。 なんだか分かるような分からないようなですが,婚約が破談した場合には,結納金は返還しなければならないというのが常識であり判例ですから,その点から考えれば,「婚姻の不成立という事実を解除条件とした民法上の贈与契約」という風に理解しておけば足りるでしょう。 ところで結納に対する世間の理解では,1にも書いたとおり,結納をもって婚約成立というように捉えられることが多いですが,法的には微妙なところです。 婚約というのは,婚姻契約の予約契約と定義するとして,この婚約自体は,たとえ結納を経ていなくとも,男女お互いの合意だけで成立するとされています。そりゃそうですよね,結納はしていなくとも,例えば長く同姓していて,近い将来結婚を誓い合っている場合には,婚約は成立していることに疑いありません。このような場合でも,婚約を破棄されたなら,損害賠償請求権を認めてあげないといけないケースもあると思いますからね。 つまり,婚約と結納というのは,別物であると。厳密に言えば,まず婚約という婚姻の予約契約があって,その後,結納という解除条件付贈与契約がある(無い場合もある。)というふうに,法的には別個の契約としてとらえることが出来ることになりますね。 まあ男女が真っ当に婚姻まで行けば,こんな風に法的云々を,全く意識することが無いわけですが。
以上,結納について少し考えてみました。
さて,私のこの三連休は,妻とともに実家の明日香に帰って過ごしました。 実家には,普段より少し落ち着いた服を着た私の妹と両親の姿がありました。そしてその前には,初めてお目にかかる男性とその両親がいて,お互いの間で,結納の儀式が執り行われていました。
妹には,こんなところで公開するなと怒られるかもしれませんが,これも私が妹の幸せを願う一つの表現であると解釈して,きっと許してくれるものと思います。 今日はこの辺で。
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