この前のつづき。
こんにちは,中尾です。六月最初の週末は,梅雨入り前の最期の週末となるのかもしれませんが,皆さんどのように過ごしましたか?
今日は,前回,「自己破産」について書きましたので,もうすこしその関連で書いてみたいと思います。今日は「任意整理」についてです。自己破産の申立件数が減少傾向であるという話の中で,任意整理という手続によって債務整理をすることが増えてきたことが一因としてある,というようなことを述べました。
では,その任意整理というのはどういう手続なのでしょうか。
簡単にいうと,任意整理とは,司法書士または弁護士が,依頼者である債務者の代理人として,直接債権者との間で,債務額の減額や将来利息のカットおよび弁済方法について交渉して,債務者が今後無理なく支払いができるような和解契約を締結すること,を言います。 もっとわかり易く言うと,司法書士または弁護士が,あなたの代わりにサラ金等と話をして,ちゃんと払えるように契約を巻きなおしてくれる手続です。
ここまでで,手続の概略はわかってもらえたと思います。法律家が代理人として債務を整理して払えるようにしてくれるということですね。 では,任意整理の効果,すなわち,任意整理を行った場合に,具体的に,債務(借金)はどのようになるのか,ということを見ていきたいと思います。
1 元金を減額する! 皆さんは利息制限法という法律を知っていますか?金銭債務の利息については,利息制限法という法律によって,その元本の額に応じて,利息の最高限度が決められています。これを超える利息は,原則として無効です。 ただ,貸金業者に限って言えば,貸金業規制法という法律があって,この法律に定めてある厳格な要件をすべて満たした場合にのみ,利息制限法を超える利息を有効に受け取ることができます。いわば,貸金業者の特権です。 一般的には,利息制限法により無効となるような利息だけれども,貸金業者が厳格な要件を満たした場合には有効となる場合もある高い利息,この利息で,今貸金業者は商売をしています。 では,貸金業者は利息制限法を超えて原則無効となる高い利息を,貸金業規制法によって有効とするための厳格な要件をすべて満たしているか?満たしていなければおかしいはずのその要件を満たしているのか?答えは否です。ほとんどの場合,貸金業者は,要件もみたさないまま,利息制限法を超える無効な利息を受け取り続けているのです。 ここで考えて見ましょう。貸金業者を利用している皆さんは,毎月毎月一定の金額の支払いをしているはずですが,その支払い額の内訳は,元金の返済部分と,利息の返済部分があるはずです。 そして,その利息の支払い部分は,先ほど述べたように,有効な部分と無効な部分がある,とそういうわけです。 有効な部分はよいとして,無効な部分は問題ですよね。無効ということは,利息としてはとってはいけないのですから,返してもらわなければいけません。そうですよね。長いこと貸金業者と取引を繰り返していればいるほど,無効な支払いを繰り返しているわけですから,返してもらわなければいけない金額も積み重なって大きくなります。 さてまとめます。例えば,ある貸金業者5社に対して,全部で300万円の借金があるとします。その借金について,過去の取引を全て明らかにしてもらい,どのような利息の支払いをしていたのかが判明すれば,どれだけ無効な支払いをしていたのかが計算できます。無効な支払いの金額が全部で150万円だとすれば,その150万円を返してください,と言いたい所ですが,300万円借金が在るわけですから,そこから150万円引いて,借金の額は全部で150万円に減額されるとこういうことです。 別のケースを想定しましょう。借金が300万円,無効な支払いが350万円ならばどうでしょう。まず,借金は全く無くなって,さらに,50万円の現金を返してもらえることになりますね。 長くなりましたが,つまり,任意整理の手続によって債務がどうなるかの一番目の答えは,利息制限法の適用によって借金の元金が減額できる,ということです。
2 将来利息をカットしてもらう! 今まで支払った利息については,1で見てきたように,有効な部分は有効として,無効なものは無効として,計算をやり直すということでした。しかし,これではまだ,1で確定した借金の元金について,今後の利息をどうするのかという話は語られていません。 結論から述べると,今後の利息はすべてカットしてもらえるのが実務です。すなわち,将来の利息は0パーセントにしてもらえるということです。 これは大きなことですよ。皆さんの借金が300万円あれば,利息制限法の最高限度である年利18パーセントを支払うとしても,一年でさていくらの利息の支払いをしなければいけないでしょう。全額の返済が完了するまで,いったいいくらの金額を払わなければいけないでしょう。計算すれば,相当の金額を支払わなければいけないことがわかると思います。 債務の支払いに困っていることを債権者に理解してもらい,将来利息をカットしてもらう。これが債務整理の効果の二番目です。
3 今後3年から5年程度で支払うようにする! 最期の三番目です。1で見てきましたが,まず利息制限法の適用によって借金の元金を減額してもらう。そして,2で見てきたように,その元金については,利息を付さない。つまり,今後支払う金額は,1の金額だけである。 あと何が残っているでしょう?そうです。あとは,どれだけの期間で残った債務を返済していくか,ということですね。 これについては,だいたい3年から5年の返済期間で債権者に提案して,契約を締結しているのが実務です。この期間は,債務者が,毎月の家計からどれだけ借金の支払いをできる状況にあるかということを基礎に,その他条件を加味して決定します。 3年ということは36ヶ月で,5年ということは60ヶ月です。例えば残った借金が250万円だとすると,それを36や60で割れば,毎月の支払い額が出てきます。利息が無いですから,単純に割れば支払い額が出てきますよね。250万円の5年払いならば,毎月の支払い額は,42,000円弱です。
あー,ちょっと長くて疲れてきましたが,わかりましたか?任意整理とは,司法書士または弁護士があなたに代わって債権者と交渉して債務を整理する。 その債務の整理の内容は,利息制限法を適用して元金を減額し,利息を0パーセントにして,3~5年で返済するようなこと。
例えば,借金の総額が400万円で,毎月の支払いの総額が15万円というような方が相談に来る。任意整理を行った結果,借金の総額が200万円になって,毎月の返済が4万円程度の和解が成立する。依頼者の方は,確実に毎月4万円の支払いを行って,数年後,無事多重債務の状況から脱し借金を完済していただく。 これが,任意整理によって人生の再出発を切るモデルケースです。
※依頼者の個別状況により任意整理をおこなった場合の結果は異なります。
関係ないけど。
まーったく関係ないけど,妻の焼いたピザです。中々良く出来ています。この歳(?)になると,美味しいものを食べることにとても価値を感じます。
皆さんも美味しいものを食べて,梅雨の黒雲を吹き飛ばしましょう。あ,まだか梅雨は。 |

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